超訳【無門関】
第40話 住職の選び方 原題「趯倒浄瓶(てきとうじんびん)」
ある時、百丈和尚(2話で弟子の黄檗に張り倒された人)は、大潙山(だいいさん)に新しく寺をつくることになり、そこの住職を人選することになりました。
順当に考えれば筆頭弟子である「首座(しゅそ)」が自動的に選ばれるところだったのですが、百丈和尚は、それでは面白くないので、弟子たち全員に同じ条件で「悟りの境地」を競わせる、「禅」グランプリ大会の開催を提案しました。
大勢の弟子たちが集められたところで、和尚はサッと「浄瓶(手をすすぐための水を入れる携帯用水差し)」を地面に置きました。
「はい、ここで問題です。
あなたならこれを何と呼びますか?
ただし、「浄瓶」と呼んではいけません。」
首座はすかさず言いました。
「はい! これは「木の破片」とは呼ばれないものです。」
百丈和尚は炊事係の者にも尋ねました。
「お前はどうよ?」
炊事係は、いきなり浄瓶を蹴り倒すとスタスタと行ってしまいました。
百丈和尚は言いました。
「こりゃ炊事係の勝ちだ!」(爆)
ここで一世一代のカッコをつけた炊事係こそが、後の潙山(いさん)和尚なわけなのだが、このオッサンも百丈和尚のしかけたワナから抜け出すことはできなかったというわけだ。
鉢巻を外して、かわりに鉄かせを頭にはめるなんてな。

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