超訳【無門関】
第31話 趙州和尚と婆さん 原題「趙州勘婆(じょうしゅう、ばをかんず)」
趙州和尚の弟子の一人が五台山に出かけた時のことです。
道すがら、婆さんに道をききました。
弟子「五台山にはどうやったら行けますか?」
婆さん「まっすぐ行けばいいんだよ。」
どうもありがとうございます、ということで、弟子が数歩歩き出したところで婆さんが言いました。
「なんだい、話のわかる坊さんかと思っていたら、どこへ行こうとするんだか。(笑)」
弟子は事の次第を趙州和尚に報告しました。
それを聞いた趙州和尚、憤然として言いました。
「なんじゃと!? わしが行って、お前の仇をとってきてやる!」
趙州和尚が弟子から聞いた場所に行くと、果たして婆さんが待ち構えていました。
趙州「五台山にはどうやったら行けますか?」
婆さん「まっすぐ行けばいいんだよ。」
趙州が数歩進むと、婆さんがまた言いました。
「なんだい、話のわかる坊さんかと思っていたら、どこへ行こうとするんだか。(笑)」
趙州和尚は帰ってくるなり弟子たちを集めてこう宣言しました。
「ざまあみろってんだ! わしがお前たちのために、あのババアの正体を見破ってきてやったぜ!」
この婆さんは、いつものように最前線で策略をめぐらして、「してやったり」と思っていたのだろうが、趙州というドロボウが要塞の中に入り込んでいたことに全然気がつかなかったというわけだ。
で、趙州はといえば、まんまと敵の要塞をおびやかすハタラキをやってのけたわけなんだが、これが大のおとなのすることかね・・・・・・

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