超訳【無門関】
第13話 徳山和尚がいったりきたり 原題「徳山托鉢(とくざんのたくはつ)」
ある日、徳山和尚が、まだ合図の鐘もならないのに、ドンブリを持って食堂にやってきました。
弟子の雪峰(せっぽう)がツッコミます。
「おいおいジイサン! まだ何も聴こえていないうちから何処へいこうというんだい?」
徳山和尚は、それを聞くと振り向いて帰ってしまいました。
雪峰くんがその話を同門の巖頭(がんとう)くんにしたところ、巖頭くんはこう言いました。
「なんと! 徳山先生ともあろうお方が、まだ「究極のオチ」を理解されていないとは・・・・・・」
その話を耳にした徳山和尚は、さっそく人をやって巖頭くんを呼びつけて叱りました。
「お前さん、この年寄りをアホだと思ってるじゃろ!?」
巖頭くんは徳山和尚に近寄ると、なにやら一言耳打ちしました。
すると徳山和尚は、なにやら深くうなずいています。
しかも、翌日以降の徳山和尚のトーク(説法)は、俄然、グレードアップしていました。
巖頭くんは、彼のトークを聴くと、自分の部屋の前まで戻ってきてから、手を打って大爆笑しはじめました。
「こいつぁ素敵だ。
これでもう、徳山和尚は向かうところ敵なしだぜ!」
アホかこいつらは!
お前らも騙されてんじゃねぇぞ。
良く見てみろ。
単にジジイが行ったり来たりしただけのことじゃねぇか!

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